パーカー街に住まう一匹のご機嫌な竜
はるか昔、とある人間の集落に供物を求める竜があった。
竜の要求は尽きなかった。金銀財宝を得られなければ、竜は集落だけではなく地も山も荒らした。
集落は竜の要求を満たす手足となるべく動いたが、ヒトに出来ることは限界があった。
「こうなっては、もう我々にできることはない」
集落の男たちは荒れ果てた住処を眺めて決心した。終わりにしよう。
もっとも、彼らには竜を倒すなど到底不可能な話だった。
だから彼らは、女子供を生かすために、自ら生贄となった。
せめて供物足り得ようと、竜の好んで食らった獣の姿を模した衣を纏った。
「なにそれ面白い」
「えっ」
「なにそれ超面白い」
竜ははじめてヒトに興味をもった。
そうして、黄金竜ハーラールは、己に尽くしたヒトに報い、ヒトの集落を守護する契約を為した。
そんな彼らの関係の名残が、獣パーカーの若者たちとパイ投げ祭りに残っているとかなんとか。
【黄金竜ハーラール】
派手好き、財宝と面白いものが大好きなご機嫌ドラゴン。
この世の全ては己のものであるという認識があるため、基本的に己のものが何をしようと怒ることはない。
パーカー街の特別市長みたいな存在として長く長く街を守護している。
祭りには大抵出没する。
人間態は金髪金目の若者で、やたら派手な服装を好んでいる。
最近は人間の流行を取り入れ、ドラゴン型パーカーを着て街をふらふらしている。
パイ投げ祭りではヒトがまき散らした大量のパイをドラゴン型でぺろりとたべる。観光名物である。
一人称・我
二人称・てきとう
三人称・てきとう
基本ドラゴンしか「個」として呼ぶことはない 人間のことは個を認識していても呼ぶのはたいてい「人間」で済ます
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