力尽き具合はんぱねえ
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その異貌の子供はみなし子で、どこからきたのかは誰にもわからなかった。
それは子の身にしても同じことで、腐り水の目に肥溜の髪とはやし立てられたときには内心ひどく憤慨しながらも、さてはもののけが橋の黴やら暴れ川の滴やらかまどに溜まった灰なんかを捏ね合わせてわが身をつくりだしたのではないか、そんなふうな思いを捨てられはしなかったのである。誰にも言えやしないし、聞くようなものもまた居やしなかった。
子供の棲み処は沢の下流、少しだけ里を離れた橋の下にあった。
幸いなことに里は土地神の豊かな恵みを受けており、川魚や山菜には事欠かない。里の人間が立ち入るような明るい麓を荒らせば子供の腕ひとつぶんはあろうかというほどの枝でしたたかに打ちすえられたが、もう少し奥の、野犬のような獣がうろつく水場ならば、子供を止めるものもいない。「おまえら、わしを仲間だと思っとるんかあ」子供は油で固まった野犬の喉を、尖りきった指先で良くよく掻いてやった。犬どもはそうしてやると蕩けるような目つきになって子供に擦り寄るのだ。そんなことを何度もしているから、野犬の臭いが体について、子供はすっかり獣の仲間だと認められているのだった。
冬を越すのは少し難儀だったが、里の人間も鬼になるほど苦しんではいなかった。夏に石を投げるのと同じ手で、秋の間に蓄えた干し柿や糒を投げてよこすのである。そのかわり、子供はしばれるような川に細い手足を浸して、丸々太ったイワナをとってやる。里の子供たちはそうした彼を見て目を丸くするので(夏だって、彼ほどに魚を獲るのがうまい子は他にいない)、そうしたときばかりは子供も胸がすくような思いを抱く。みなが知っているような遊びにはどうしたっていれてもらえるようなことはなかったけれど、彼がうつくしい石の在処を知っていることはみんなが知っていたし、彼らの遊びでなにかれと物要りになるときには、彼らはこっそりと入れ替わり立ち替わり、てのひらいっぱいのシイの実もって子供を頼りにきたのである。
子供はそんなふうにして暮らしていた。
彼はいつも腹を減らしていたから、いつまでも小さな体で、何人もの子に背を抜かされる。体に見合わぬきかん気は、ちぇ、となんども舌打ちになってあらわれた。わしだっていつか、里の中に生えたどでかいアカマツのように大きくなってやるわい、と。なにせ子供は「こおに」と呼ばれていたのだから、いつか鬼になるのは道理である。わしだって。
そんな日は本当は来ないものだと思って、暮らしていた。
すまんなあ、と言うその言葉が、里のものにかけられた中でいっとう優しく聞こえたのは、彼らに残ったさいごのひと、の部分だったのだろうか。慣れ親しんだ滝壺はごおうごおうと音を立てて、子供の髪の毛のような色の川を闇の中へ送り続けている。けれどもどうしてか、自分の行く末よりも、里の人間が夜のアカマツのように大きく大きく見えることこそが子供にとってなによりも恐ろしいことだった。
ああ、お前たちはわしよりも早くに鬼になってしまったんか。
涼しい夏が過ぎたあとの、あの大きな嵐では、凶作を覚悟しなければならない、という話を聞いた。心のどこかで、「だからわしは、いつまでも育たんかったのか」と悟っていたから、逃げ出しはしなかった。
背を押す男の手のひらは、温かかった。
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そして力尽きる毛玉。ヒメガキですよ。
川神の生贄になった子供は遠く離れた街の女に拾われて育ち、なんだかんだでその女とセックスして、自分が「性交によって気を食い記憶を読む鬼(=魔族)」であることを知ってエエーってなる。まじでー?ちょおー知りたくないことまで知っちゃったよなんだよもーこの女俺売る気だったんかーい まあいいけどー 俺のテク気に入って結局売られてないからいいけどー。(正しくは、売ろうとしていたが子供に情がうつったあげくのセックスだったが、ちゅうにびょうなので醜いとこばっかに目が行くという)(あと名付け親はこの女)
そんでまあ女が梅毒かなんかで死んでからもしぶとく女たらして生き延びてたら、ある日「里」にいた人間と夜の街でばったりと遭遇。
「お前のせいで!」
的なことを言われて襲いかかられてエエエー知らんがなーとか思ってたら、どうやらあの後野犬が里を襲って里壊滅状態、原因=生贄が悪かったんじゃね?ということになったらしいという話。
いやマジで知らんがな…
とはいえ、流石に子供のころの思い出の象徴に襲いかかられてたら抵抗することもできませんよね!うーんこのまま死んでやるべきかなー俺死に方知らんけどー とか思ってたら傷つけられた目からなんか黒いの出てきたんだけどなんすかこれ!そうか俺鬼だったわ!ごめん!死んでないけど記憶まるっと食っちまったごめん!ああ記憶って食うこともできるんだ!へえ!知りたくなかったわー…(そしてこのときから眼帯+傘装備になる)
そんなかんじで300年ほど街を渡り歩いてもの書きの真似ごとをしたりしてたら案外当たる。まあそりゃ体感経験なんて300年軽く突破しますしね…そりゃね…とか思う。今に至る。
酷い説明だった。
あと犬を手懐けてた・少ない食料で生き延びてた・なかなか育たなかった・川神の怒りを買った のは全て魔族だから。
口調が変わったのは女が死んでしばらくしてから。だってウケがいいんだもんっ☆
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